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大切な卵を夫婦でしっかりと守る【Archive Photo】

  • 執筆者の写真: Ga
    Ga
  • 5月20日
  • 読了時間: 2分

 野鳥の世界の繁殖、子育てのシーズンを撮っていて、とても思い出が蘇るシーンがある。2年前の春、北海道鶴居村に行った時のタンチョウの抱卵シーン。そしてその卵を守るために夫婦が交代してじっと温める。その交代シーンを目の当たりにすることができたことだ。

 タンチョウは北海道東部にのみ生息する特別天然記念物。そして鶴居村のタンチョウと言えば、真冬の雪景色の中の風景が有名である。それはとてつもなく美しくていつか撮ってみたい風景。でも案内してくれた現地の写真家の方は「ここにはオフシーズンはない。どの季節にもその季節しか見れない素晴らしい風景がある」と言って、見せてくれた感動のシーン。釧路湿原の一部の茂みの中で抱卵している場所を見つけ案内してくれた。私たちが夫婦交代するシーンを撮影したくてじっとカメラを構えてまっていてもなかなか交代するパートナーがやってこない。ひたすらお母さんは一人で守り続ける。次の日も同じ場所で数時間待っただろう。そしてようやくその時が来た。パートナーが登場すると、今までしっかり卵を守っていたお母さんがゆっくり立ち上がり、お父さんと交代する。交代したお父さんはしばらくの間、しっかりと卵を確認したのに、それを包み込むように長い足をたたみ巣に座る。そうして夫婦がしっかりとリレーして一個の卵を大切に育てるのだ。

 実は私たちがカメラを構えて撮影している場所は、ざっと50mは離れている。しかも木々の合間の隙間からわずかにタンチョウの巣が見えるだけだった。もし自分一人で見つけたものだとしたら、必ずもっと近くのよく見える場所まで近寄って撮影したくなっただろう。でも抱卵中のタンチョウを脅かすようなことをしてはいけない。場合によっては巣を放棄してしまうようなことにもなってしまう。現地の方はタンチョウを警戒させない距離をしっかりとって撮影させてくれた。人に見せる写真としては欲求不満になってしまうが、ただすごい写真を撮りたい欲望のために生き物を脅かしてはいけない。こうしたことも自然の生き物を撮影させてもらうカメラマンとして大事なマナーなのである。(2024年4月30日撮影)


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